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GDMSとICPの使い分けは?

GDMSは固体試料に特化した分析手法であるのに対し、ICPは液状試料に対する分析手法です。しかし、ICPで固体試料を分析するケースも多く、その場合には分解や抽出により水溶液化する事で測定が可能となります。 ここでは、金属・合金・セラミックス・半導体材料などの固体試料中の分析手法として両者を比較したときの長所・短所をご紹介します。

1)対応可能元素

GDMSは周期律表上で水素と希ガスを除いて安定同位体を持つ全ての元素の測定が可能ですが、ICPは試料を一度酸で溶液化する必要があるためハロゲン系の元素及び硫黄、更に希ガスを測定する事が出来ません
。 また、GDMSでは装置内バックグラウンドレベルに大きく依存するためC,N及びOは参考値としてのみ評価する事は出来ますが、ICPでは溶液化工程を経るためガス系の元素は測定出来ません。
測定対応元素数の多さで比較しますと、ハロゲン系と硫黄を測定出来るGDMSの方が優位です。

対応可能元素の図

2)前処理方法

GDMSは無機材料であればあらゆる形状の試料の評価が可能で、粉末や粒、箔やワイヤーなどのような不定形試料でも形状固定バインダーを用いる事で対応が可能です。また、インゴット試料の場合、一度粉砕しピンを切り出すなどの最低限の前処理を行うだけで、試料を直接評価する事が可能です。
一方ICPは、液状試料の評価が可能なため環境水質調査や工業・生活排水の評価にも使用する事が出来ます。固体試料の場合ですと酸を用いて完全に溶液化する必要がありますので、溶液化工程における酸の組み合わせや環境からの汚染などの影響を非常に受けやすいと言えます。
ですので、溶液化しにくい貴金属やセラミックス材料などは、試料を最小限の前処理のみで測定出来るGDMSがより適しています。

3)対応可能検出範囲

GDMSは微量不純物評価を主目的とした分析手法ですのでppt~数%の範囲で存在する元素の評価が得意です。
それに対してICPは、測定対象の容態や使用する装置により大きく変わってきます。

対応可能検出範囲の図

ICP-OESは主要構成元素評価に適した手法ですので、ppmから数十wt%の範囲で対応が可能です。通常のICP-MSは、溶液化工程の無い水溶液試料ですと前処理中の汚染などの影響を受けないためpptレベルにまで到達が可能です。
ですので、例えば合金材料の主要構成元素の組成評価は微量レベルの不純物評価が得意なGDMSではなくICP-OESの方がより適しています。

4)分析対象領域

GDMSは試料の表面から内部へとスパッタして分析を進めていく手法ですので、試料内の表層部と深部間で分布に大きな差がある場合は、その分布の影響を大きく受けてしまいます。それに対しICPは測定対象領域を全て溶液化させますので(固体試料の場合)、GDMSよりも分布の影響をより受けにくく平均化された値を得る事が出来ます。

5)定量精度

一般的に、GDMSにおける日間誤差範囲は±20%程度と言われております。 一方、ICP-OESにおいては±3~5%、固体試料測定時のICP-MSについては標準物質を同時測定する事によりppmレベルで±3~5%程度となります。LA-ICP/MSに関しましては、標準試料が無い場合で±10倍程度、別手法(例えばGDMS)で構造の近い試料を測定し不純物を含めた組成を把握する事が出来ましたら±50%程度になります。

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