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SIMSとTOF-SIMSの違いは?(ダイナミックSIMSとスタティックSIMS)

SIMS (二次イオン質量分析法)とTOF-SIMS ( Time of Flight-SIMS: 飛行時間型質量分析法)は一次イオンビームの照射によって放出された二次イオンを質量分析する点では同じですが、両者は一次イオンビームの種類、装置、得られる情報が大きく異なります。そのため、以下のように全く用途が異なる手法です。

SIMSは化学的に活性なイオンビーム(セシウム、酸素)を試料に連続的に照射して不純物の深さ方向濃度分布を高感度に得ることができる手法です。深さ分布を得る目的として使用されますのでダイナミックSIMSとも呼ばれます。半導体材料中の不純物濃度の評価などに不可欠な定量分析手法です。一方、TOF-SIMSは、少ないイオンビーム照射量(1e12 cm-2以下)で試料最表面に存在する元素及び分子情報を検出できる手法です。試料最表面の分子情報を得ることができるのでスタティックSIMSとも呼ばれます。一次イオンビームはパルスビームです。表面の分子情報の検出に適した質量の重いイオン(Bi,Auなど)や微細ビーム化の容易なGaイオンビームなどが使用されます。材料表面に残留する有機物の同定や不純物の定性分析に有効な手法です。なお、TOF-SIMS装置にスパッタ銃を搭載することもできます。その場合には通常のSIMSに比べて検出感度は劣りますが、ダイナミックSIMSの用途として深さ方向分析も可能になります。

■ 図1:SIMS装置の分類
SIMSの分類
■ 図2:ダイナミックSIMSとスタティックSIMS
ダイナミックSIMSとスタティックSIMS

通常、単にSIMSと呼ばれる場合には深さ方向分布の得られるダイナミックSIMSのことを指します。図1に示しますように、主に2種類のSIMS装置(磁場型、四重極型)がダイナミックSIMSに使用されます。一方、TOF-SIMSはパルスビームを利用するので、試料の消費量が少なく極表面近傍を調べるのに適した手法です。スタティックSIMSの条件(ビーム照射量1e12 cm-2以下)に最適な装置がTOF-SIMS装置です。図2に示しますように、スタティックSIMS条件下では、ほぼ非破壊状態で評価することが可能なので、質量スペクトルから試料最表面に存在する有機物の化学構造情報や不純物の定性的な情報を得ることができます。このように破壊手法と非破壊手法の違いから前者はダイナミックSIMS、後者はスタティックSIMSと呼ばれます。

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