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SEMとTEMの使い分け

一般的に、光学顕微鏡では見えない対象物を、より高い倍率で試料を見てみようとなった場合、SEM及びTEMということになりますが、ではどのような場合にSEMが適していて、どのような場合にTEMでみた方が良い、ということになるのでしょうか?

これが実はなかなか難しい問題です。試料構造や材質、目的によりその都度判断する必要があります。というのも、倍率だけであれば、TEMはSEMより高い倍率まで見えるわけですので、極めて薄い数nmの膜厚の評価をしたい、という場合は100万倍、200万倍という倍率が必要になりますから、TEMで、ということになります。また、試料の結晶情報を引き出したいような場合も、結晶性を反映したコントラストや電子線回折測定が行えるTEMが適しているといえます。問題なのは、TEMでもSEMでも評価できる対象物、倍率(数万倍から10数万倍といったレンジ)でどちらが有効か、といった場合です。この場合、TEM及びSEMのコントラストの特徴を良く踏まえ、判断することが重要となります。

SEMとTEMの使い分けの一例

試料
(測定内容)
SEMが適 TEMが適 SEM,TEM
いずれも適
備考
粉末試料 粒径が概ね数10nm以上 粒径が概ね0.2um以下 粒径が数10nm~0.2um  
多層膜の膜厚評価 最小膜厚が概ね
20~30nm以上
膜厚が概ね
サブnm~数μm以下
膜厚が数十nm~数μm 注1)膜の組成によっても敵、不適があります。
有機系多層膜試料
多層膜の場合、識別が難しい
全体の膜厚評価
(厚さは上記参照)
 
半導体多層膜中の欠陥評価 ×   SEMでは結晶性情報を観察できません。(EBSDで情報を得ることは可)
試料表面の凹凸評価   TEMでは断面からの情報となります。
膜中の異物評価   注2)異物の種類、大きさにより使い分け
半導体デバイスの形状評価   注3)素子の大きさ目的により使い分け

注1)膜の組成が近いものの場合、SEMでは評価が難しい場合があり(特に絶縁膜系)ますので、その場合はTEMの方が適します。

注2)SEMの場合は異物の断面が出ていないと評価できないですが、TEMの場合は、異物をTEM試料薄片中に納めていれば確認可能となります。ただし、ボイドのような異常箇所の場合は、その断面が出ていればSEMの方が確実にボイドと断定可能です。

SEMとTEMの使い分けの一例の図

図1. SEMではボイドはよく確認できる一方、HAADF-STEMでは、組成の違いや、結晶情報(転位)をよく確認できる。

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