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TOF-SIMSのデータの見方

TOF-SIMSは、少ないイオンビーム照射量(1e12 cm-2以下)で試料最表面に存在する元素及び分子情報を検出できる手法です。試料最表面の分子情報を得ることができるのでスタティックSIMSとも呼ばれます。しかしながら、分子情報といっても有機物のモノマー化学式に相当する質量のピークがそのまま検出されるわけではありません。

下図は、PET(ポリエチレンテレフタレート、(C10H8O4)n)のTOF-SIMSスペクトルを示したものです。通常の有機質量分析では、親ピークは質量193と推定できますが、TOF-SIMSのスペクトルでは、親ピークの強度は多くありません。それに変わって、より小さい質量領域に強いピークが現れます。これらのピーク群をフラグメントピークと呼びます。これらのフラグメントピークの現れ方は化学式と関連しており、フラグメントピークのパターンから有機物の化学式を推定していきます。例えばPETの場合、正イオンスペクトルでは質量104、149が、負イオンスペクトルでは質量121、165がそれぞれ顕著なフラグメントイオンとして検出されます。これらはPETの特徴的な化学構造の一部を表しており、化学構造が異なれば、同じ元素組成を持っていてもフラグメントイオンによって化学式を推定でき、未知の試料の同定を行うことが可能となります。

■ PETの典型的データ
PETの典型的データ
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