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SPM装置から得られる情報は?

SPM (Scanning Probe Microscopy: 走査型ブローブ顕微鏡)は、先鋭な探針(プローブ)の先端で試料表面を走査しながら、試料表面と探針の先端の間に働く相互作用を利用して、基本情報である試料表面の凹凸形状をはじめ、磁気、摩擦などの様々な物理情報を3次元の画像情報として得ることのできるプローブ顕微鏡の総称名です。画像の分解能は主にプローブの先端の大きさに依存し、条件によっては原子スケールレベルの分解能まで得ることが可能です。この手法群は1981年に発明されたSTM (Scanning Tunneling Microscopy: 走査型トンネル顕微鏡)から端を発したもので、トンネル電流を検出するSTMは導電性の試料に限られていましたが、その後、絶縁物試料でも測定可能なAFM(Atomic Force Microscopy: 原子間力顕微鏡) が開発され、適用できる試料の範囲が広がり、様々な産業分野で広く利用されるようになり、同時に多くのプローブ顕微鏡に発展しました。様々な手法名が有りますが、探針と試料間の相互作用を利用する点では共通していますので、探針の種類や測定モードを変えることによりAFM装置から様々な情報が得られます。そのためAFM装置は同時にSPM装置を意味します。

■ 代表的なSPM手法

手法名 特徴
STM
(走査型トンネル顕微鏡)
先鋭な探針の先端と試料表面間に流れるトンネル電流を計測することで、原子スケールオーダーで表面形状の3次元画像情報を得ることができる。トンネル効果を利用したものなので、絶縁性試料には適さない。Wや Pt-Irなどの金属性の探針が用いられる。
AFM
(原子間力顕微鏡)

探針の先端と試料表面間に作用する原子間力を計測することで表面形状の3次元画像情報が得られる手法である。探針の先端が原子スケールレベルで先鋭ならば、STMと同様に原子スケールレベルの分解能を得ることも可能である。試料の導電性には関係なく、どんな試料表面でも調べることができる。

プローブは、弾性的な板バネの先端に先鋭な探針がついたものが用いられる(カンチレバーと呼ばれている)。原子間力をカンチレバーの変位に反映させて表面形状情報を得る仕組みである。測定モードを大別すると、探針を試料に接触させるコンタクトモード、カンチレバーの共振周波数付近で振動させて試料に周期的に接触させるタッピングモード、そして接触させないノンコンタクトモードの3種類に分けられる。これらは試料の性質によって使い分けられる。また、原子間力以外の信号を得る場合などに使い分けられる。AFMでは試料にダメージの少ないタッピングモードが標準的に使われている。
MFM
(磁気力顕微鏡 )
磁性膜をコートした探針を振動させながら試料表面を走査し、試料磁界との磁気的作用によるカンチレバーの振動や位相変化からにより磁気力を画像化する手法である。
KFM
(ケルビン力顕微鏡)
導電性プローブを振動させながら試料と探針間に交流電圧を印加し静電引力によるカンチレバーの変位を調べて表面電位の変化を調べる手法である。ノンコンタクトモードが使用される。
FFM
(摩擦力顕微鏡)
カンチレバーで試料を走査した際に、試料と探針間に働く摩擦力によってカンチレバーにねじれが生じることを利用して、摩擦力を画像化する手法である。コンタクトモードが使用される。形状ではわからない硬さなどの材質の違いがわかる。
SCM
(走査型静電容量顕微鏡)
極薄酸化膜が形成されている半導体表面に導電性プローブを接触させ、交流電圧を印加して静電容量の変化を調べることでキャリア分布の二次元分布を得る手法である。
SSRM
(走査型広がり抵抗顕微鏡)
半導体表面に導電性プローブを接触させ、バイアス電圧を印加することによって得られる電流を調べることで抵抗分布を得る手法である。抵抗値からキャリア分布の二次元分布が得られる。SCMより更に微小な領域の測定が可能で、直接電流を測定するのでキャリア濃度としての精度が高い。
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