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SIMSで狙える微小領域の限界は?

通常のSIMS分析は、[100μm x 100μm]程度の分析領域で行われます。分析元素、分析するマトリクスにもよりますが、この領域の中でppb~pptといった高感度な分析を行うことができます。
通常の分析領域に対して、「SIMSで狙える微小領域の限界は?」といったテーマを考えるためには以下の点を考慮する必要があります。

第一に、微小領域に存在する原子の数を考える必要があります。微小な分析領域になる程、そこに存在する原子の総数が少なくなりますので、検出できる原子の数が減り検出下限が悪くなります。バブルチャートに示している物理限界線がこれに対応します。

次に、検出する元素のイオン化率を踏まえる必要があります。SIMSではスパッタされた粒子を100%検出できる訳ではなく、その中のイオン化された粒子を検出します。元素により正イオンと負イオンの発生効率が異なりますので、発生効率が最大になるイオンビーム(酸素ビームまたはセシウムビーム)を選択します。それでもイオン化率は1%程度が最大です。

最後に、微小部分析に用いる一次イオンビームを細く絞る必要があることです。FIBなどでは収束性に優れたGaイオンビームが用いられますが、イオン化効率が悪いので通常SIMSでは用いません。微細な酸素やセシウムイオンビームを作るためには、一次イオンの電流量を下げる必要があります。しかし、一次イオンビームによって発生する二次イオンの強度は、一次イオンビームの電流量に比例するため、一次イオンビームの電流量の低下は、検出下限値を悪化させてしまいます。

これらの三つの観点より、現状の実用的な微小部分析の限界は、数μm領域程度と考えることが妥当ではないでしょうか。

■ 微小領域分析事例

下図はパターニングされたPoly-Si領域(3μm x 15μm)中の「2μm x 2μm」領域のBの深さ方向分布です。データから、Bの検出下限値は5E16 atoms/cm3程度であることが分かります。

微小領域分析事例

下図は、Si層中(5μm x 5μm)領域のPの深さ方向分布を示しております。Pは、E17~E20のダイナミックレンジで深さ方向分布を確認することができます。

微小領域分析事例
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