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不均一な不純物濃度分布を持つ試料の評価方法

不純物を高感度に検出できるSIMSは、ドーパント濃度の制御や微量不純物汚染の管理が重要となる半導体材料分野では常套手段として利用されています。多くの場合、SIMSで取り扱う試料は均一な試料(どの場所を分析しても再現性が得られる試料)ですが、多結晶半導体材料、金属材料、セラミックス材料などでは、粒界や粒内に不純物が不均一に局在している場合があります。そのような試料では、分析位置を移動して濃度の再現性を調べても、よい再現性が得られないことがあります。

個々の粒界や粒内情報ではなく、試料全体の平均濃度情報を目的とする場合には、解決策として、個々のグレインの影響を抑えるためにより広い検出領域を用いた分析や、面内分布情報を取得しながら深さ分析を行う方法などがあります。以下に多結晶半導体のCIGS系太陽電池用薄膜の事例を通して、この方法を紹介致します。この方法は、数ミクロン~数十ミクロン以下の大きさのグレインから構成される試料に有効な方法です。

■ CIGS中の不均一なFeの濃度分布
CIGS中の不均一なFeの濃度分布

ステンレス箔基板上に形成されたCIGS薄膜のFeのマッピング。Fe濃度が不均一なことがわかります。明るい色がFe濃度のより高い場所を表しています。

通常、SIMSでは25-60 um程度の大きさの検出領域が用いられます。このような不均一な濃度分布ですと、通常の検出領域ではFe濃度が試料の平均濃度を表していない可能性があります。

■ 解決方法1:大面積の深さ方向分析
解決方法1:大面積の深さ方向分析

3か所の異なる場所から、400x400um の検出領域を用いて取得したFeの深さ方向分布。 それぞれ1.5mm位離れた場所の結果です。3か所のFeの濃度のばらつきは50%以下に減っています。

■ 解決方法2:イメージデプスプロファイル
解決方法2:イメージデプスプロファイル

全体領域(450x450um領域) のイメージデプスプロファイルと、領域1、領域2(50x50um)から得られた部分領域デプスプロファイル。不均一な試料の場合には、狭い領域から得られた濃度ばらつきが大きいことがわかります。イメージデプスプロファイルでは、分析後にデータ処理から部分領域の濃度も求めることができます。

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