表面分析からこんなことがわかります

ホーム表面分析からこんなことがわかります > PCOR-SIMSを用いたVCSEL分析

はじめに

基板面に対して垂直方向に光を共振させて光を出射させる半導体レーザーVCSELは、他の端面発光レーザーに比べて、その構造から低製造コストでの作製が可能であり、低消費電力、高速変調動作、2次元配列が容易等の特徴があります。その一方で、エピタキシャル成長時の膜厚や組成揺らぎの精密な制御が必要です。

このようなVCSELの評価に対して、EAGのPCOR-SIMSを用いることで、CやSi等のドーパントの深さ方向分布や酸素等の不純物元素の混入を評価すると同時に、通常はTEM等を併用して測定する、エピタキシャル膜の厚さや組成を測定することができます。

ここでは、厚さ8μmに及ぶVCSELの構造について、PCOR-SIMS用いて測定した事例を紹介します。

PCOR-SIMSを用いたVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)分析

図1にPCOR-SIMSを用いた、表面から基板まで8um程度に及ぶVCSELの測定結果を示します。この分析は1回の測定条件で行われています。C,Si,Al,Gaの深さ方向プロファイルから、Al組成の異なるp型(Cドーピング)DBR層、活性層、n型(Siドーピング)DBR層の構造を確認することができます。またBのプロファイルから、GaAs基板に到達したことが確認できます。

図

図2に1種類の感度係数を用いて定量した通常の分析結果(赤)と、PCOR-SIMS を用いて定量した、n型DBR層中のSiの深さ方向プロファイル(緑)を示します。
PCOR-SIMSは、深さ方向の各点全てに対してAl組成を考慮した定量を行うため、より正確なSiの深さ方向プロファイルを求めることが可能です。

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図3にPCOR-SIMS を用いて定量した、p型DBR層中のCの深さ方向分布を示します。
ここでは、200nm程度の薄膜層中のC分布をより詳細に調べるため、高い深さ方向分解能条件で分析を行っています。深さ方向プロファイルより、各層中にスパイク状のCの分布があることが分かります。このスパイクは、エピタキシャル成長時の試料ステージの回転に起因していることが示唆されています。

図

図4にPCOR-SIMS を用いて定量した、p型DBR層中のC,Oの深さ方向分布を示します。
PCOR-SIMS を用いることで、Al組成の異なる各層中のドーパント(C)の深さ方向分布と、各層の膜厚を求めるだけでは無く、エピタキシャル成長中にOの混入があることを調べることが可能です。

図

本報告は、『COMPOUND SEMICONDUCTOR』誌に記事が掲載されました。

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