表面分析からこんなことがわかります

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はじめに

デバイスの歩留向上のため、直接影響を及ぼすパーティクルの分析を行うことは重要です。また、パーティクルの発生工程を特定するためには、適切は測定手法を用いて、形状、組成を調べることが必要です。微小パーティクルは、目視でその位置を特定することができないため、通常パーティクルカウンターと呼ばれる欠陥検査装置を用いて、その位置とサイズを調査します。EAGでは、欠陥検査装置で特定した座標を用いて、300mm、200mm 等のwafer上のパーティクルをwafer 対応AES装置で分析することが可能です。

ここでは、wafer対応AESを用いて、SEM観察では、同一形状・サイズで検出されたパーティクルの発生起源(プロセス)が異なっていた事例を紹介します。

wafer対応AESを用いたパーティクル分析(AN429)

300mm wafer, 200mm wafer対応AES(SMART-ToolTM, SMART-200TM)を用いた組成分析による類似パーティクルの異なる発生起源調査

歩留り向上のため、欠陥(パーティクル)を生じさせる要因を取り除くためには、デバイスプロセス中で発生する、パーティクルの成分を正しく調査することが必要です。
デザインルールの微細化、新プロセスにより、必要とされるより微小なパーティクルの解析は困難となります。そして、形状が似ているパーティクルでも、その成分や発生起源がまったく異なる場合があります。
そのため、形状調査(イメージング分析)だけでは、欠陥の種別や起源を特定することが出来ません。パーティクルの組成を調査し、より正確に同定することが、発生起源の特定には必要とされます。
成分分析手法の一つであるEDSの分解能では、サブミクロンサイズの欠陥評価に対して十分な解析を行うことが出来ません。AES(SMART-ToolTM, SMART-200TM)分析を用いることで、300mm, 200mm 等のwafer上の微小で複雑な欠陥の同定を行うことが可能です。その情報は、形態が似ている欠陥の発生起源を特定し、大きな歩留り改善につながります。

CVDプロセスによるパーティクル(タングステンシリサイド)調査

CVDプロセスによる、タングステンシリサイド膜(WF6+SiCl2H2)形成後の光学顕微鏡調査で複数の欠陥が検出されました。また、SEMによるwafer上の2つのパーティクル(図1、図2)の詳細観察では、同じ形状であることが分かりました。そのため、形状評価による欠陥分類では、この二つの欠陥は同じタイプであり、同一起源から発生したものと特定されます。
しかし、上述の分類では、歩留り向上のために着目される特定の正確な発生起源を示していません。また、別の組成分析手法である、EDS(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)を用いた場合でも、パーティクルのサイズがEDSの情報(励起)深さ、分析体積に比べて小さすぎるため、パーティクルの組成や発生起源を調べることはできません。

AESによる組成分析から、このパーティクルの一つは未反応のタングステンであり、他方は、SiO2膜に覆われたステンレスのパーティクルであることが特定されました。この情報により、この2つのパーティクルは、異なる起源を持つ別の欠陥種と特定されます。
未反応のタングステンは、プロセス中の反応条件に起因したものと考えられます。また、ステンレス成分は、装置からの汚染と考えられます。更に、パーティクルが薄いSiO2膜に覆われていることから、このパーティクルは酸化膜形成プロセスを通った後の複合汚染であることが分かります。

(図1)パーティクル1: SEM、AES結果   (図2)パーティクル2:SEM、AES結果
■(図1)パーティクル1:SEM、AES結果

未反応タングステン

パーティクル部(赤)と周辺部(青)の差分AESスペクトル(緑)より、パーティクルはWが主成分であることが分かります。

■(図2)パーティクル2:SEM、AES結果

SiO2膜に覆われたステンレス

AESスペクトル(赤)より、SiO2成分が検出されていることが分かります。 パーティクルの表面をスパッタリング後のAESスペクトル(青)より、Si、Oの強度は減少し、内部からFe、Cr等ステンレスの主成分が検出されていることが分かります。

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