表面分析からこんなことがわかります

ホーム表面分析からこんなことがわかります > FE-AESを用いた界面に診られる汚染の同定 (FE-AES)(AN445)

はじめに

AESは細く絞った電子ビームを照射して、オージェ電子を検出することで微小領域における材料表面の元素分析やマッピングを行うことができます。電界放射型(FE: Field Emission)の電子銃を搭載していますので、熱電子銃に比べて微小領域を高い輝度で分析することができます。
オージェ電子の検出深さは数nm程度ですが、ここでは、イオン銃によるスパッタリングの併用による微小領域の深さ方向分析の事例を紹介致します。AESの検出感度は1at%程度ですので、SIMSのように微量成分の検出はできませんが、材料成分の深さ構成や残渣などを調べるのに有効です。なお、AESは電子ビームを照射しますので、絶縁物の分析は難しいです。

AN445 FE-AESを用いた界面汚染の同定

界面に存在する汚染を調べて除去することは、半導体デバイスの生産や最高性能を得る上でとても重要です。界面の汚染は限られたものではなく、有機物、無機物の洗浄残渣、除去しきれていないエッチストップ層、金属汚染、そして成膜チャンバーからの汚染など、様々です。パターニング化されたデバイスの界面汚染を検出するためには、分析手法としては広範囲の元素について優れた空間分解能と感度が必要になります。50umx50um程度のサイズよりも大きなデバイス構造を分析できる手法は沢山ありますが、目安とし1umよりも小さな部分の分析では、通常FE-AESが界面汚染の分析に選択されます。

最初の例は、仕様性能が得られていないレーザーデバイスです。GaAs基板上にAu/Pt/Tiのファセットコーティングが形成されています。分析対象領域は約50um x数100umの領域です。AESの深さ方向分析結果は、SEM像で示されたようにデバイスの中心付近から得られたものです。Ti層とGaAs基板の間にSiが検出されました。Siの原因はTi層の成膜前に完全に除去されなかったSiN膜の残渣と同定されました。深さ方向分析では、GaAs基板界面付近のTi中に酸素も検出されました。

グラフ

<例1>  レーザーデバイスの深さ方向分析の結果、Ti/GaAs界面にSiの存在が確認できました。Siの原因はSi3N4の残渣でした。

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2つ目の例は、1㎛x 1㎛の領域におけるSiN/GaAs界面の汚染を同定することが目的の分析です。深さ分析を行い、SiN/GaAs界面で止め、そこでサーベイ分析(定性分析)を行いました。その結果、界面からInとPが検出されました。このことから、界面の汚染は、ウエハプロセスにおいて、エッチストップ層として用いているInGaP層が完全に除去されずに残っていたものであることが判明しました。

グラフ

<例2> 1㎛x 1㎛の領域におけるAESによる深さ分析方向分析の結果、Si3N4/GaAs界面にInとPの存在が確認できました。この汚染はエッチストップ層のInGaPの残渣によるものでした。

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