表面分析からこんなことがわかります

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はじめに

光学コーティング薄膜は、半導体レーザーを始め、多くの光学製品に用いられています。また、光学コーティング薄膜は、屈折率の異なる薄膜を組み合わせて、その光学特性が設計されます。このように設計された多層薄膜は、膜厚をSEMやTEMによる断面観察で行い、深さ方向の組成分布をXPSで調べることが可能です。

ここでは、ガラス基板上にコーティングされた反射防止膜(AR Coating film)の膜厚と組成をSEMとXPSを用いて測定した事例を紹介します。

多層厚膜の物理的かつ化学的な特性評価(AN353)

光学コーティング薄膜は、半導体レーザーを始め、多くの光学製品に使用されています。
特に、光導波路、減反射コーティング、高反射コーティング等の薄膜コーティング技術が、LEDやレーザー等の光学精密機器に対して用いられています。また、多層薄膜構造の膜組成や膜厚は、所望の光学特性を得るために正確に作製される必要があります。

薄膜の材料特性評価は、SEM(走査型電子顕微鏡)とXPS/ESCA(X線光電子分光分析)を組み合わせることにより行うことが可能です。ここでは、これらの分析方法を用いて、ガラス基板上に成膜された反射防止膜の膜厚と組成を評価した事例を示します。

図1にSEMによる、反射防止膜の断面観察結果を示します。断面のSEM像より多層構造の積層数と膜厚を調べることが可能です。この反射防止膜は、上層から2200Å、1900Å、390Å、830Åの4層であることが分かりました。SEMによる各膜厚の精度は±10%です。

■ 図1 SEMによる反射防止膜の断面観察結果
図

次に上記の試料について、XPSにより、深さ方向の組成分析を行いました。XPSによる深さ方向分析では、H、Heを除いた未知の元素について、検出された元素の原子密度の深さ方向分布を調べることが可能です。

図2にスパッタされた各深さの定性分析結果を、図3には検出された元素の深さ方向分布を示します。XPSの結果より、反射防止膜はSiO2とTiO2から成ることが分かりました。また、ガラス基板からは、SiとOに加えてCaとMgが検出されています。

■ 図2 XPSによる反射防止膜の深さ方向定性分析スペクトル
図
■図3 XPSによる深さ方向濃度分布
図

表1に、これらの分析手法により求めた結果を示します。

■表1 各膜厚と組成分析結果のまとめ
表
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