表面分析からこんなことがわかります

ホーム表面分析からこんなことがわかります > バックサイド(裏面)SIMSによるCuの拡散評価(AN418)

はじめに

バックサイドSIMSは、試料加工技術とSIMS分析が融合した技術です。SIMS分析だけでは正確な評価ができなかった領域について、SIMS分析用試料に高精度の研磨加工を施すことで、質の高いデータが得られるようになりました。EAGでは試料の裏面加工だけではなく、様々な加工を併用してSIMSが使える領域を広げて参りました.。

ここでは試料裏面に高精度加工を行ったバックサイドSIMSの事例を2つ紹介致します。
1. 高濃度Pドープ層直下の低濃度のP分布
2.Cu電極から絶縁膜中へのCuの拡散評価

バックサイドSIMSによる応用例の紹介 (AN418)

バックサイドSIMSは、試料表面側の着目領域層を調べるために、裏面側から正確な研磨を行った試料(表面側の着目層が適切に残る深さまで裏面側から研磨した試料)を利用するSIMS深さ方向分析の1つの方法です。SIMS分析では、高品質なデータを取得する際に影響を及ぼすいくつかの制約があります。その1つは分析最終深さです。分析面の荒れやSIMSクレータのエッジ効果の影響を受けますので、多くの場合、分析できる深さは10-20um位に制限されます。もう一つの制約は、着目している元素を主成分とする層が、調べたい層の上の存在しないことです。調べたい層の上に、着目元素を多量に含む層が存在しますと、その下方に位置する層では、上層からの影響を受けますので、本来含まれている着目元素の濃度評価ができなくなります。

これらの制約の課題に取り組むために、エバンス アナリティカル グループ(EAG)では、いままでデータの質の低下なしでは分析を行うことが困難であった試料について、分析が可能となる研磨加工技術を開発致しました。このことで、着目層が(また、着目場所の周囲が)どのような状態でも、適切な試料の準備や研磨によって分析ができるようになりました。

高濃度のPがドーピングされた試料のバックサイド分析

上層のポリシリコンに高濃度のP(0.2%)がドーピングされたデバイスでは、表面側から正確なPの分布を測定することができません。しかしながら、試料を裏面から適切な深さまで研磨することで、裏面方向からのSIMS分析によってポリシリコン直下のSi基板中のPの正確な濃度分布が得られるようになりました。

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バックサイドSIMSによるCuの拡散評価

Cuは電子デバイスの中で容易に拡散することが知られています。そのため、シリコン酸化膜のような誘電体膜中へのCuの拡散を減らすためにはバリア層が必要になります。このアプリケーションノートでは、バリア層のない試料を用いて、Cuの拡散の程度を調べるために試料研磨の併用によるバックサイドSIMSの例について紹介します。

表面側からの拡散評価は、上層のCuの影響が下層の誘電体膜にも及びますので、低濃度レベルの拡散を覆い隠してしまい、よい方法ではありません。
バックサイドSIMSでは、Si基板側からSiO2膜を通過してCu膜に到達しますので、表面側のCu層の所謂メモリー効果の影響を受けません。そのため、検出されたCuは、その深さ位置に対応した濃度となり、本来の膜中に存在したCuの濃度分布を示します。この方法を利用することで、様々な工程を経た試料や、異なる負荷を与えた試料の拡散を調べることができます。また試料間のバリア層の有効性の比較なども行うことができます。

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