表面分析からこんなことがわかります

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はじめに

Alパッド電極表面のワイヤーボンディング不良の原因についてAES分析で調べた事例を紹介します。
ボンディング不良の分析では、表面汚染や酸化膜厚が原因として予測されますので、電極表面から数nm程度の浅い領域から情報が得られるAES分析が適しています。XPS分析でも同様なことができますが、通常はAlパッド電極の大きさが100um x 100um 程度の狭い場所になりますので、X線ビームを用いるXPS分析よりも、電子ビームを用いるAES分析の方が簡単に微小部位の分析が適しています。また、Arビームによるスパッタリングを併用すれば、Al, Oの深さ方向分析から酸化膜厚を求めることができます。

因みに、 AESやXPSによる酸化膜厚の評価は、316Lステンレス鋼表面の酸化保護膜やステンレスチューブ(配管)内面の電解研磨後の清浄度、組成評価として、それぞれSEMI規格(SEMI F72-0214)、SEMATEH (SEMASPEC) 試験法(#91060573-STD, #90120403B-STD)があります。EAGでは、これらの規格に準拠した評価も行っています。

ボンディングパッド(金属電極)性能の評価(AN332)

Alの接続端子電極(ボンディングパッド)表面の酸化膜厚はボンディングパッド性能に大きく影響します。正常な金属電極表面の酸化膜厚は2.5-5nm程度で、これより厚くなるとワイヤーボンディングの接着不良や電気伝導性の低下などが生じます。そのため酸化膜厚の測定は、ボンディングパッド不良やボンディングパッド性能を把握する1つの手段になります。また、ボンディングパッド表面の元素分析では(例えばFなど)、腐食のような別の問題の知見を得ることができます。

図1は正常部におけるFE-AESの結果を示したものです。これより酸化膜厚は約4.5nmと見積もられます。図2の不良部における同様の結果では、酸化膜厚が約12nmであることがわかります。

図3は不良部のボンディングパッド表面のサーベイスペクトル(定性分析)を示したものです。 C,O,F及びAlが検出されています。また、ボンディングパッド表面の酸化膜から高いレベルのFが検出されました。このことはボンディングンパッド表面にみられた腐食がFによって引き起こされた可能性を示唆しています。

■ 図1 正常部のボンドパッドの深さ方向分布

図1正常部のボンドパッドの深さ方向分布

■ 図2 異常部のボンドパッドの深さ方向分布

図2異常部のボンドパッドの深さ方向分布

■ 図3 不良部のボンドパッド表面のサーベイスペクトル(定性分析)

図3不良部のボンドパッド表面のサーベイスペクトル(定性分析)
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